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製品を守る!バリが発生する理由と現場で役立つ除去方法 No.185

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掲載日:2024.10.30

最終更新:2024.12.11

こんにちは、スリーナイン島野株式会社の米田です。

金属加工の現場では、避けて通れない問題が「バリ」です。小さな突起物や余分な部分であるバリが残ることで、製品の精度や安全性が損なわれる可能性があります。では、そもそもなぜバリが発生するのでしょうか?そして、どうすれば効率よく除去できるのでしょうか?ここでは、バリが発生する原因とその解決方法について詳しく解説します。ぜひ参考にしてください。

バリがなぜ発生するか?

バリとは、加工中に材料の端や表面に残る不要な突起物や余分な部分のことを指します。バリが発生する原因は加工方法や加工条件によって異なりますが、主に以下のような要因があります。

塑性変形によるバリ

プレス加工や切削加工などで、工具が材料に圧力をかける際に、材料が塑性変形して工具の刃先から逃げるように押し出されます。この際に、材料が加工面からはみ出し、バリが形成されることがあります。特に、加工中の工具の刃が鈍くなると、鋭利に切り落とせずに材料が押し出され、バリが発生しやすくなります。

切削時の摩擦と熱

切削加工では、工具と材料の摩擦や加工時に発生する熱がバリの発生に影響します。加工熱が高くなると、材料が部分的に溶融し、刃先から材料が引きずられるような形でバリが生じます。また、工具の回転数や送り速度が不適切だと、切削面の仕上がりが粗くなり、バリの発生が促進されます。

せん断加工時の破断面

せん断加工(例:パンチングやシャーリング)の際、材料はせん断力によって切断されます。この時、理想的には滑らかな切断面が形成されますが、実際には破断によって粗い面が生じ、その結果としてバリが発生します。材料の硬度や厚み、パンチとダイの間の隙間が適切でない場合にバリが発生しやすくなります。

バリの除去方法

バリは製品の品質や安全性に影響を与えるため、適切な除去が重要です。バリの除去にはさまざまな方法がありますが、以下は一般的な方法とそれぞれの特徴です。

  1. 手仕上げ(ハンドデバリング)
    • バリ取り作業の中でも最も基本的な方法です。やすりやナイフ、研磨パッドなどの手動工具を使ってバリを除去します。この方法は、細かい部分や複雑な形状のバリを取るのに有効ですが、作業者の熟練度に依存し、作業時間がかかることがデメリットです。
  2. 機械的バリ取り
    • バリ取り用の機械を使って、自動的にバリを除去します。グラインダーやサンダー、バリ取り用の回転工具などが一般的です。この方法は大量生産の現場で効率的ですが、細かい部分には対応しづらい場合があります。また、加工面が荒れる可能性があるため、最終仕上げとして別の方法を併用することもあります。
  3. 化学バリ取り(エッチング)
    • 化学薬品を用いてバリを溶解させる方法です。この方法は、複雑な形状や微細な部分のバリ取りに有効で、均一に処理できる点がメリットです。ただし、使用する薬品の管理や廃液処理が必要で、環境への配慮が求められます。
  4. バリ取りブラスト(ショットブラスト、サンドブラスト)
    • 高圧の空気で微細な研磨材(ショットや砂など)を吹き付けてバリを除去する方法です。この方法は大きな面積を一度に処理でき、効率が良いです。しかし、ブラスト加工の際には研磨材が表面にダメージを与える可能性があり、適切な研磨材や圧力の選定が必要です。
  5. 電解バリ取り(EDMデバリング)
    • 電解液中で電気を流してバリを除去する方法です。この方法は、手が届きにくい部分や複雑な形状にも対応でき、表面の仕上がりが非常に良好です。ただし、設備コストが高く、処理に時間がかかることがデメリットです。

まとめ

バリの発生は金属加工において避けがたい現象ですが、発生原因を理解し、適切な除去方法を選ぶことで、製品の品質と安全性を向上させることが可能です。バリ取り作業には手仕上げから高度な機械加工まで多くの選択肢があり、加工品の形状や仕様に応じた最適な方法を選択することが重要です。

スリーナイン島野品質

弊社のステンレス素材の製品は 1本1本全てバリ取り処理済みです。お客様には安心してお使い頂くことができます。
”バリ”とは、材料を切ったり、削ったりした際に材料の角にできる“出っ張り”のことです。バリが残っていると,材料がまっすぐに固定できないので、加工面が傾いたり曲がったりします。
また、バリがあると正しい長さの測定、 正しい組立をすることができません。安全面からも、バリで怪我をすることがとても多いため、バリ取りをきちんと 施しておく必要があります。
一般的には、バリ処理はとても手間がかかるため、処理がなされていないことが多く、そのため設計図に「バリなきこと」と記載されているのをよく目にするのではないでしょうか?
しかし、弊社の製品はバリ取り専用の 機械を使い1本1本丁寧に処理をしているので、施工される方にもバリを気にせず安心してお使い頂けます。

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