STORY
開発秘話
商品開発には様々な物語があります。
開発当初は「そんなものはできない」「そんなものはいらない」と言われていた商品でも、
現在では当社の主流商品になっているものはたくさんあります。
これからもお客様のニーズにお応えできるユニークな商品を開発していきます。
カウンターレール
あるお客様より「段差がない下レールがあったらいいのに」とのご意見を頂きました。当時は下レールの無い吊戸レールがあったものの、隙間が出来る事や、揺れが気になる等で引戸としてのニーズがありました。開発当初は「下レールの無い引戸」も考えていましたが、最終的に「極力溝が細い下レール」を制作する事になり約2㍉の隙間しかできない、カウンターレールが誕生しました。
55号レール
「ハカマとレールが擦らないレールを創ろう」というテーマでスタートした55号レール。当時は四の字レールと山型レールが世間の大半を占めていました。開発当初は社内からも「そんなことお客様から言われた事無い」等、批判的な意見も多く、賛否というより反対の方が多かったテーマでもありました。しかし、当時の状況は、長年使っているとハカマとレールが擦れてハカマは傷だらけ、レールは擦れて薄くなり刃物の様にとがっているものもありました。またアルミ同士がこすれると、真っ黒な粉が出てきて頻繁に掃除もしなくてはなりません。「近い将来、絶対にこういうレールが主流になる」という信念の基、開発を進めました。今となっては当社の中で、一番多く使われる商品となりました。また面打タイプ、ステンレスとバリエーションも増えていきました。
耳付レール
スリーナイン金属工業(製造部門)を立ち上げた時、「当社のオリジナルの製品を作りたい」という事から、ユニクロローラーレールを作り始めました。以前から陳列レールの取扱いはあったのですが、協力工場に生産を委託している状態でした。「今までにない物」「何か特徴のある物」と言う事で、レールを掘り込んだ時に掘り込み際がきれいに収まる耳付きレールを初めて世に出します。特許(意匠)も抑え、耳付きレールと言えばスリーナインという代名詞にもなりました。その後様々なレールを開発・製造していくのですが、基本的には耳付きレール(1号タイプ)と耳なしレール(2号タイプ)の2タイプを製造しています。
ハシゴ柱
現在は、クローゼット金物としてポピュラーな製品となったハシゴ柱ですが、この製品を一番初めに作ったのは、当社でした。1958年にもともとは本棚用の金物として製作しました。発売当初の売れ行きはお世辞にも良いとは言えませんでした。細々と販売していましたが、発売から30年ほどたった時、突然大量に売れ始めました。よくよく調べていくと、マンションのクローゼット金物として、ご使用頂くようになりました。それまでは、1本1本手作りで作っていましたが、生産量が追い付かず大型プレス機を導入し自動化する事となります。日本の高度成長期に合わせ、マンションが乱立し販売量は製造を始めたころでは、考えられない量に膨れ上がりました。平型止受やパイプベースといった関連商品も開発していきました。しかしながらもちろん他のメーカーからも製造するようになりました。若干穴のピッチ(間隔)が違うもの、材料の厚みが違うもの、今は様々なタイプのハシゴ柱が世の中には出回っています。そもそもハシゴ柱というネーミングは当社がつけたもので、「ダボレール」「ガチャ柱」等という名前でも呼ばれるようになっています。
曲げレール
昔から、円柱のケースや曲げ硝子を走らせるレールを設計士の方を中心にご要望頂いておりました。当時は直線のレールを曲げ加工していたのですが、あまり見栄えがいい物が出来あがりませんでした。また、金属を曲げる工場と硝子を曲げる工場は別の事が多く微妙な寸法の違いで、動きが悪くなるというトラブルもありました。なんとか曲げ硝子に対応出来るレールは出来ないかと、当社開発チームが検討していました。いいアイデアが出ないまま月日が経ったある日、製品を運んでいた営業員から、「この製品はぐにゃぐにゃで運びにくい。なんとかならんのか?」と開発部に声が掛りました。「ぐにゃぐにゃ?曲がる?…」そんなところからフレキシブルに曲がる「曲げレール」は完成しました。
エクストレイト
「重なりの無い引戸」このテーマに取り組んで完成したのは開発を始めてから10年以上たった2008年の事でした。木の扉や車のスライドドアといった、閉めるとフラットになる機構は、身近にはあったのですが、硝子でそれを行うにはかなりハードルが高いものでした。なんとかコンパクトに出来ないか。様々なアイデアが出ては消え、浮かんでは消え。途中で何度もやめてしまおう。と諦めかけた事もありましたが、なんとか開発チームが長い年月をかけて「エクストレイト」は完成しました。