999の部屋
ボーナス・利益の考え方
掲載日:2024.09.13
最終更新:2024.11.21
弊社のボーナス(賞与)は、青天井に設定してあります。
いきなりそういう言い方をすると、非常に聞こえが良いかもしれませんね(笑
実際は、利益の一定割合をボーナスの原資にする事にしています。そういう事なので利益が出れば出るほど、ボーナスの原資が増える事になり上限無しの設定になります。もちろんその事は従業員にも公言しています。みんなで稼いで、みんなで恩恵を受ける!!
日本では、約7割の会社でボーナスは支払われているそうです。逆に言うと3割の会社はボーナスの支給が無い会社もあるそうです。一概にボーナスがあることが良くて、無い会社が悪いと言うわけではないと思います。そもそもボーナスの考え方が違うんですね。できる限り多くの給料を従業員に渡したいという考えとか、会社の業績によって、年収を変化させたくないといという考えであれば、ボーナスを設定せずに毎月の給与として渡す。となります。従業員にとっても会社にとっても、どの形が一番良いのかという事を考えた上で、現状の形になっているのだと思います。
ではそうなると、利益とはなんぞや?という事にも繋がっていくことになります。少しテクニカルな話になりますが、基本的には「売上-費用=利益」です。そして人件費は今、日本で使われている会計制度では、費用の項目に入っています。
私個人の意見ですが、人件費は費用だと思っていません。これには私の思想とか歴史が絡んでしまうのですが、農耕民族であった日本は、みんなで耕して、収穫して出来た作物をみんなで分ける。そんなベースがある。今の会計制度の元となっているヨーロッパでは、君主制で奴隷制度がベースとなっている。君主の為に利益を上げるのにどれだけの費用(奴隷)が必要だったのか。つまり人件費は利益を生み出す費用であるという考え方。そんな違いがあると思っています。
そしてただ単に、人件費は「費用か費用じゃないか」という議論では無く、費用と考えるなら、経営者は、いかに人件費を抑えて、売上を伸ばすか。が利益を出すポイントになる。そして、同じ売上ならできる限り人件費を減らしたいと考える。逆にみんなで分ける物と考えると、いかにたくさんの利益を出して、たくさん人件費を支払えるかがポイントになる。
「利益を出す」やっていることは同じでも、私は根本的な部分での違いを感じています。
そんなきれい事を言っていても、もちろん利益の出ていない会社であれば、リストラをして費用を減らして、会社存続させる事が必要な時もあると思います。(と言う事だけは付け加えておきます)
ちなみに、弊社で利益は、大きく3つに分けています。納税する事で社会に貢献する。内部に留保して、筋肉質で潰れない会社になること。そして従業員に還元する。の3つです。そう言えるのは未上場の会社だからというのもあると思います、本来、株式会社である以上、株主還元をどうするのかという問題もあると思います。
そんな考え方なのと、会計基準で決まっていることに、反対するつもりもないので、もちろん決算ではちゃんと費用として人件費を計上していますが、社内で利用している管理会計上では、人件費の項目は、利益項目の下に持ってきています。そして、生活給としての意味合いの強い毎月の給与とみんなで出した利益をみんなで分けるというボーナスを共存させる様にしています。
一時、「会社は誰の物か?」という議論が世間で話題になったことがありますが、そこにも繋がっていくのかもしれません。私は、そうやって従業員のみんなで「自分たちの会社だ!」という意識を持ってもらえる事に喜びを感じます。経営者や上司が「経費削減しろ!!」なんて言わなくても、自分たちで「ボーナスの原資が減るから節約しようよ。」と自浄作用が働く、内発的に利益を生み出す行動が起きる。そんな事が一緒に働く仲間として大切な気がしています。
15年程前にとある勉強会の講演で、経営学者の野中郁次郎先生から「企業の利益は、未来創造費用である」というお話を聞きました。そもそも会社(組織)の存在意義は「今をしあわせに生きる事と同時によりよい未来を創ること」だから利益を出さなきゃいけないし、未来を創造していかなきゃいけない。 資源を食い潰したり、自然環境を破壊しつくして利益を追求する経営は、本末転倒である。色んな経営判断をするときに、私は野中先生のその言葉を忘れない様にしたいと思っています。
最後までお読みいただきありがとうございます。 こんな会社ですが、一緒に仕事がしたいという企業様、働いてみたいという就職活動をしている方は是非ご連絡ください。
島野