999の部屋

27.経営は手段である


掲載日:2025.02.04

最終更新:2025.02.04

 このブログで私が影響を受けた経営者の中の一人に矢﨑勝彦さんの名前を挙げさせてもらいました。そして、矢﨑さんから薫陶をうけて、一番心に残っている言葉が「経営は手段である」という事でした。すこし経緯をお話しますと、私自身が弊社の3代目候補として前職から転職し、日々の仕事を覚えること、業界を知ること、そして会社をもっと発展させようと意気込んでいた頃でした。前職が金融業界であったこともあり、ある程度数字を読む力、決算から分析する力というのは、自分自身鍛えられていたと思います。

 そんな中、私も会社を承継する以上何か目標を持とうと思って考えたことが「300年続く会社」でした。それは、私が歴史の人物で徳川家康を尊敬していたこともあり、徳川幕府が264年続いたので、私は300年を目指そう。というそんな稚拙な思いからでした。どちらにしろ、自分の命が途絶えた後も続いていくような会社にしたい。という目標を持ちました。その為にも売上をあげ、利益を出していくぞと鼻息荒く仕事と向き合っていました。

 そんな私に、矢﨑さんが問いかけたのは「売上を上げてどうしたいの?」「300年続けて何がしたいの?」「社会に貢献するって具体的に何をするの?」という言葉でした。売上を上げることは、目的ではない。経営を通じて何を成し遂げたいのか?経営はその目的を達成するための手段である。そのような対話から私は、一言も話せなくなってしまいました。さらには、300年続く会社にしようと思ったら、これから300年この社会が続いていかないと出来ないし、地球もこのままで300年続いていくか解らない。先のブログの「宇宙船地球号」の話ではないですが、地球の中で自給自足の営みであることを全く認識していなかった私は、小さな小さな世界でしか捉えていない自分の目線の低さ、小ささに胸が締め付けられるような経験をしました。

 そこから色々悩む日々は続くのですが、「今だけ、ここだけ、自分(達)だけ」という視野が「今から、ここから、自分(達)から」何をしていくのか。300年間社会から世間から必要とされ続ける組織とはどんな組織なのか。非常に拓かれた視野になったのは間違いありません。2023年2月に矢﨑さんはご逝去されましたが、「経営は手段である」この言葉は、私が死ぬまで心に刻まれる言葉になりました。

最後までお読みいただきありがとうございます。 こんな会社ですが、一緒に仕事がしたいという企業様、働いてみたいという就職活動をしている方は是非ご連絡ください。


島野

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